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活動報告

アサリ、アマモ育成試験・モニタリング

 本試験は、山口県田布施町馬島の車海老養殖跡池に代替覆砂材を用いた実験干潟を造成し、そこでアサリとアマモの生息状況を定期的にモニタリングすることにより 代替覆砂材がアサリとアマモの生息に及ぼす効果 を定量的に評価することを目的として実施しています。
 
試験場所   山口県田布施町馬島の車海老養殖跡池(1号池)
 
実施日時   平成16年9月から
 
試験内容
  事前調査及び実験干潟造成、モニタリング調査
 
試験の流れ  
 
試験の流れ
 
スケジュール

(平成16年度)

スケジュール
 
実証試験  
 
事前調査
 
 
 養殖跡池(1号池)の地盤高と底質環境に関する情報を収集・整理するため、以下の項目で現地調査を実施しました。
 
事前調査の項目及び方法、数量
項目
方法
数量
地盤高 水深 横断測量 養殖跡池(1号池)全体
底質環境 硫化物 底泥の採取と室内分析 5層(地盤下0・25・50・75・100cm層)×1地点×1回
Eh 酸化還元電位計による計測
 
その結果は以下のとおりです
硫化物の分析結果
採取層
硫化物(mg/g)
0cm
0.05
25cm
0.06
50cm
0.05
75cm
0.06
100cm
0.07
採取層は、海底面からの深さです。
実験干潟造成
 
 
 実験干潟は、地盤高がD.L.±0.0mとなるように現地盤を1m程度掘削して造成しHiビーズと各種の割合で混合した浚渫土(代替覆砂材)を敷設する実験区と敷設しない実験区を配置しました。なお、代替覆砂材の層厚は30cmです。また、海水取水口の水門は、開放状態とし、潮汐は外海と同調しています。
 
Hiビーズとは:火力発電所で石炭を燃焼させ電気エネルギーをつくりだした後に、副産物としてできる石炭灰を主材としたリサイクル製品で、赤潮などの原因となる富栄養化物質の吸着効果を持つなど、環境に優しい海砂代替材です。
 
実験干潟造成
 
実験干潟
実験干潟造成場所
 
実験干潟
実験干潟
 
実験干潟
実験干潟
 
地盤支持力の現地測定結果
測定値
地盤支持力(kg/平方センチメートル)
実験区1
現地盤
実験区2
浚渫土100%
Hiビーズ0%
実験区3
浚渫土80%
Hiビーズ20%
実験区4
浚渫土50%
Hiビーズ50%
実験区5
浚渫土20%
Hiビーズ80%
5回の平均値
0.0
0.3
0.4
1.2
0.2
 
アサリ種苗の移植
 
 
 各実験区内に、ラッカー・スプレーで着色したアサリ種苗(殻長22.37mm、重量3.44g;アサリ種苗100個体を無作為に抽出して測定した値の算術平均)を1平方メートル当たり2kgの密度(約600個体)で移植しました。なお、アサリは、大分県豊前海産のものを使用しました。
 
アサリ種苗
アサリ種苗
 
アサリ種苗
アサリ種苗への着色
 
アサリ種苗の移植
移植したアサリ
 
アマモ種子の散布
 
 
 各実験区内に、アマモ種子を散布するための区画を設定し、1区画の面積が1平方メートルとなるように各実験区を碁盤状に分割して、播種を行う区画を配列しました。
 播種は、養殖跡池近隣の天然アマモ場から採取した種子を1区画当たり700粒の密度となるように調整し、直播き法(アマモ種子を海底に直接播く方法)で実施しました。
 
散布区画
各実験区内での播種区画
 
アマモ種子
アマモ種子
 
アマモ種子の散布
直播き法で散布したアマモ種子
 
モニタリング調査
 
 
 各実験区におけるアサリとアマモの生息状況を把握するため、モニタリング調査を実施します。
 
モニタリング調査の項目及び方法、数量
項目
方法
数量
アサリの生息状況 個体数
殻長
コードラート(1×1m)採取 5実験区×1回
アマモの生育状況 株密度
最大草丈
目視観測 16区画×5実験区×1回
アサリのコードラート採取は、1実験区あたり5ヶ所行う
 
データ整理・解析


 
 アサリとアマモの生息状況の変化を把握し、以下の点に着目してモニタリング調査データの整理・解析を行います。
 
経時変化
代替覆砂材の有無、種類による違い
   
 
評価


 
 代替覆砂材がアサリとアマモの生息に及ぼす効果を把握し、以下の点に着目して評価を行います。
 
         
効果の質(正or負)、程度
効果が発現するまでの期間
効果が高い代替覆砂材の種類
         
 
アウトプット


 
 海底地盤の嵩上げを伴うアマモ場造成や人工干潟造成において、本アウトプットは以下のように重要な役割を果たすと考えられます。
 
アウトプット

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