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活動報告

新素材(NAクリート)を用いた魚礁による魚場環境改善実証試験

目的    
 
 山口県田布施町馬島地先の海域において、新素材(NAクリート)を用いて製作した藻場造成用魚礁および軟弱地盤用魚礁の設置を行い、これらによる漁場環境改善効果把握のための試験を実施しています。
 モニタリングについては、水産大学校生物生産学科の須田教授、村瀬講師に委託しております。
 
試験場所   山口県田布施町馬島東部および西部地先海域
 
地図1
 
地図2
 
藻場造成用魚礁配置図
 
軟弱地盤用魚礁配置図
藻場造成用魚礁配置図
 
軟弱地盤用魚礁配置図
 
試験期間   平成14年2月〜(魚礁設置:平成14年5月)
 
試験内容   魚類、付着生物(動物、植物)、魚礁沈下状況
 
NAクリート製魚礁の概要  
 
 Hiビーズと同様に、火力発電所からの石炭灰を主材としたリサイクルコンクリート(Neo Ashクリート)による魚礁です。NAクリートは配合により、藻礁配合コンクリート、軽量魚礁配合コンクリートなどがあります。
NAクリートの基本配合
   
 
藻礁配合コンクリート
 
 
 石炭灰のうちフライアッシュ(F)と鋳物廃砂(S)にセメント(C)および海水(W+塩)を加えて製造したコンクリート(σ28=21N/平方mm)
 
藻礁配合コンクリートの配合
目標スランプ
(cm)
W/C
(%)
単位量(kg/立方メートル)
W
C
F
S
3
158
426
269
862
215
14.1
 
軽量魚礁配合コンクリート
 
 
 石炭灰のうちフライアッシュ(F)とクリンカ(S)にセメント(C)および海水(W+塩)を加えて製造したコンクリート(σ28=21N/平方mm)
 
軽量魚礁配合コンクリートの配合
目標スランプ
(cm)
W/C
(%)
単位量(kg/立方メートル)
W
C
F
S
3
153
225
147
688
784
7.4
 

NAクリートの物理特性

 
 
 NAクリートは、石炭灰の潜在水硬性を塩(NaCl)により最大限引き出すことにより、セメント量を50〜80%に低減させた経済的なコンクリートです。使用材料には、石炭灰の他、発生したままの状態の重量スラグを骨材に使用するなど、産業廃棄物を約90%使用したリサイクルコンクリートです。
 NAクリートは、骨材の種類や混入量を変化させることにより、コンクリートの密度を自在に制御できますので、軽量〜重量コンクリートまで大きなコスト変動もないまま製造することができます。
 
NAクリートの配合例
NAクリートの配合例
 
NAクリート製魚礁
NAクリート製魚礁のスケール
NAクリート製魚礁
NAクリート製魚礁のスケール
 
状況写真  
 
設置前の状況
設置前の状況(陸上仮置き状況)
 
NAクリート製魚礁設置状況
NAクリート製魚礁設置直後の状況
NAクリート製魚礁設置状況
NAクリート製魚礁設置直後の状況
 
設置後の状況  
(モニタリング調査結果)
 
魚類蝟集状況
設置30ヶ月後調査:平成16年12月2日

 
 
藻場造成用魚礁に蝟集した魚類
 
 
 各魚礁の開放面および周辺には、スズメダイとキュウセンが数十個体の規模で蝟集していました。その他、アミメハギやメバルが若干観察されました。藻礁配合コンクリート魚礁周辺には、マアジの群れが蝟集していました。魚礁種類間の全般的な蝟集状況には特別の相違は認められませんでした。
 
藻場造成用魚礁に蝟集した魚類
魚礁素材
魚種
確認量
藻礁配合コンクリート
マアジ
+++
キュウセン
++
スズメダイ
+++
軽量魚礁配合コンクリート
メバル
キュウセン
+++
アミメハギ
++
スズメダイ
+++
普通コンクリート
メバル
キュウセン
+++
アミメハギ
++
スズメダイ
+++

:1〜10個体,++:20〜50個体,+++:50個体以上
 
軟弱地盤用魚礁に蝟集した魚類
 
 
 各魚礁の開放面および周辺には、メバルが若干数蝟集していました。その他、ハオコゼ、アミメハギなどがごく少数観察されました。藻礁配合コンクリート魚礁周辺には、体長15cm程度のマアジの群れが蝟集していました。魚礁種類間の全般的な蝟集状況をみると、普通コンクリート魚礁と軽量魚礁配合コンクリート魚礁は、藻礁配合コンクリート魚礁に比べ蝟集した魚類の個体数がやや少ない状況でした。
 
軟弱地盤用魚礁に蝟集した魚類
魚礁素材
魚種
確認量
藻礁配合コンクリート
メバル
++
マアジ
+++
アミメハギ

軽量魚礁配合コンクリート

メバル
++
普通コンクリート
メバル
++
アイナメ
スズメダイ
ハオコゼ

:1〜10個体,++:20〜50個体,+++:50個体以上
 
生物付着状況
  設置30ヶ月後調査:平成16年12月2日
 
藻場造成用魚礁の生物付着状況
 
 
 各魚礁ともホンダワラ類が上面を覆っており、魚礁の形状が確認できない状態でした。また各魚礁の上面にはイトヨレモクが他の海藻より卓越して着生していました。全体的に普通コンクリート製魚礁より、NAクリート製魚礁の方が海藻の生長が良好でした。
 
藻場造成用魚礁に入植した植物の被度、堆積泥の被度と最高泥厚
魚礁
18
29
魚礁の種類
藻礁配合コンクリート
軽量魚礁配合コンクリート
普通コンクリート
調査位置
上面
垂直面
上面
垂直面
上面
垂直面
水深(m)
5.9
 
6.1
 
4.9
 
堆積泥の被度(%)
90
30
90
75
80
60
最高泥厚(mm)
2
+
3
+
2
+
【ホンダワラ類】
 
 
 
 
 
 
ヤツマタモク
個体/25cm×25cm
 
 
 
 
20
1
 
マメタワラ
個体/25cm×25cm
5
2
 
10
1
 
20
2
 
イトヨレモク
個体/25cm×25cm
100
9
 
100
27
 
70
18
 
【植物】
 
 
 
 
 
 
ウミウチワ
 
 
 
ユカリ
 
 
 
 
 
カギケノリ
 
 
 
 
無節サンゴモ
5
 
20
ウスカワカニノテ
 
 
5
 
ヒメモサズキ
 
 
 
イギス科
 
 
 
 
 
ハイオオギsp.
 
5
 
5
 
30
イトグサsp.
 
 
 
 
 
ワカメ
 
 
 
 
 
スジウスバノリ
 
 
 
 
 
イワノカワsp.
 
 
 
 
 
フクリンアミジ
 
 
 
 
 
ピリヒバ
 
 
 
 
 
【動物】
 
 
 
 
 
 
カンザシゴカイ科
 
 
 
 
オオヘビガイ
10
 
5
 
 
 
サンカクフジツボ
25
40
10
50
10
50
コケムシ網
 
 
カイメン
 
50
 
20
5
キクザルガイ科
 
 
 
 
50
 
ホヤ網
 
 
 
 
 

※表中の数字は、被度(%),+は5%未満
 
軟弱地盤用魚礁の生物付着状況
 
 
 設置25ヶ月後調査(平成16年7月8日)時にはホンダワラ類やクロメ幼体がいずれの魚礁でも見られましたが、設置30ヶ月後調査ではノコギリモクとイトグサsp.が確認できたのみでした。
 全体的に上面には浮泥が堆積し、浮泥厚さは6〜8mmとかなり厚くなっていました。動物ではドロクダムシやイソカイメン科が生息し、垂直面にはサンカクフジツボやコケムシ綱が生息していました。
軟弱地盤用魚礁に入植した付着生物の被度、堆積泥の被度と最高泥厚
魚礁
11
21
魚礁の種類
藻礁配合コンクリート
軽量魚礁配合コンクリート
普通コンクリート
調査位置
上面
垂直面
上面
垂直面
上面
垂直面
水深(m)
12.4
 
12
 
12
 
堆積泥の被度(%)
100
40
100
80
100
50
最高泥厚(mm)
8
2
6
2
7
2
【植物】
 
 
 
 
 
 
ノコギリモク
+(1)
 
 
 
 
 
イトグサsp.
5
 
10
 
【動物】
 
 
 
 
 
 
ドロクダムシ
40
10
40
30
20
10
サンカクフジツボ
5
60
10
75
5
40
ヒドロ中網
 
5
 
 
イソカイメン科
50
30
5
10
10
エボヤ
 
 
 
 
 
10
コケムシ網
 
30
 
10
 
50
カラスボヤ?
 
 
 
5
 
20
群体ボヤ
 
10
 
 
 
 

※25cm×25cm枠内の被度(%):+は5%未満
 
軟弱地盤用魚礁の沈下状況
   
 
 設置30ヶ月後調査では設置25ヶ月後調査からの沈下はみられず、普通コンクリート製魚礁の沈下量が最も大きく、NAクリート製魚礁の沈下はあまり進行していない状況が確認されました。
 
軟弱地盤用魚礁の沈下状況
魚礁
魚礁の種類
水中設置圧
設置時の沈下量
設置30ヶ月後の沈下量
11
藻礁配合コンクリート
0.42t/平方m
15cm
15cm
21
軽量魚礁配合コンクリート
0.47t/平方m
15cm
20cm
普通コンクリート
0.82t/平方m
15cm
60cm
 
状況写真2
 
 
藻場造成用魚礁
   
 
藻礁配合コンクリート8.5ヶ月後
藻礁配合コンクリート30ヶ月後
8.5ヶ月後
30ヵ月後
NAクリート製魚礁(藻礁配合コンクリート)設置後の状況
 
軽量魚礁配合コンクリート8.5ヶ月後
軽量魚礁配合コンクリート30ヶ月後
8.5ヵ月後
30ヵ月後
NAクリート製魚礁(軽量魚礁配合コンクリート)設置後の状況
 
普通コンクリート製魚礁8.5ヶ月後
普通コンクリート製魚礁30ヶ月後
8.5ヵ月後
30ヵ月後
普通コンクリート製魚礁(対照魚礁)設置後の状況
 
軟弱地盤用魚礁
   
 
藻礁配合コンクリート8.5ヵ月後
藻礁配合コンクリート30ヵ月後
8.5ヶ月後
30ヵ月後
NAクリート製魚礁(藻礁配合コンクリート)設置後の状況
 
軽量魚礁配合コンクリート8.5ヵ月後
軽量魚礁配合コンクリート30ヵ月後
8.5ヵ月後
30ヵ月後
NAクリート製魚礁(軽量魚礁配合コンクリート)設置後の状況
 
普通コンクリート製魚礁8.5ヵ月後
普通コンクリート製魚礁30ヵ月後
8.5ヵ月後
30ヵ月後
普通コンクリート製魚礁(対照魚礁)設置後の状況

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